エンジニアはMacが好き?Macを使って分かった大きなメリット




今回は「エンジニア」と「Mac」というテーマで書いていこうと思います。

エンジニアにとってMacを使うメリットはたくさんあるのですが、世の中ではWindowsが標準になっているのでその良さがなかなか他の人には分かりません。そのため、Macのどのような点がエンジニアにとってメリットなのかを一度記事にしてまとめようと思ったのです。

僕はエンジニアの中でも特にウェブアプリケーション開発のサーバーサイド(PHP)と、データ分析(Python)をメインの業務として行っています。つまりインフラやフロントをメインにやっているわけではないのでご注意ください。使っているパソコンはMacBookPro(2017)のTouchBar無しモデルです。

目次

エンジニアはMacが好き?

僕の中ではエンジニア=Macが好きというイメージがあります。統計データを確認したわけでは無いので根拠はないです。ただ、色々な会社のエンジニア採用ページを見るとMacを使っている人が多いです。謳い文句として「OSは希望で選べます!」と書いてあるところも見かけます。

もともと音楽やデザインの世界では伝統的にMacが使われてきました。Macのカラーマネジメントシステムは優秀ですし、Logicと言われる音楽制作ソフトはMacでしか使えないなど業界的にMacが標準となっていたからです。だからMac=デザイナーというイメージを持っている人もいるかも知れません。

IT業界はどうかというと、業界標準としてMacが使われているというような話は聞きません。パソコンのシェアはWindowsが圧倒的なので、例えばインフラ系ではWindowsを使いこなすことがマストとなります。利用者と同じ環境でテストしたりすることも求められるからです。

つまり言いたいのは、WindowsとMacのどちらが好きかは人によるけれども、非エンジニアに比べるとMac率が高いというのはほぼ確実であるということです。そしてその理由というのが、実際にMacを仕事で使うことで分かってきたというのが本題です。

エンジニアがMacを使うメリット

前提としてエンジニアにとってのパソコンとは体の一部そのものです。つまりイチローにとってのグローブやバットであり、大工にとってのカンナやトンカチです。業務時間の9割以上はパソコンを操作しているのがエンジニアという生き物です。

OSがUNIXベースである

一般の人が使うパソコンのOSはWindowsかMacの二択ですが、ほとんどのエンジニアが一番使うのがLinuxというOSです。LinuxはUnixと呼ばれるOSを元にして作られたオープンソースのOSです。無料で利用することが出来るし、処理が軽いので、実は世界中で僕らの見えないところでかなり使われているのです。ちなみにこのブログの記事をあなたのブラウザに届けているウェブサーバーもLinuxです。

MacとLinuxはUnixがベースに作られているので非常にシームレスに扱えます。Linuxのターミナルコマンド(テキストでコンピューターに命令を送るCGIと呼ばれるもの)がそのままMacでも使えるので、頭を切り替える必要がなくストレスがたまりません。

一方でWindowsはこれらと全く異なる操作感です。Windowsにもコマンドプロンプトと呼ばれるCGIが存在しますが、ターミナルとコマンドが異なる箇所が多くやや扱いにくいです。それにディレクトリの構成やルール、表記法が違うなどLinuxとは違うものという感覚が強いのです。

ウェブサーバーとして使われているOSはLinuxが圧倒的に多いので、ソフトウェアエンジニアにとってMacは非常に使い心地が良いのです。

トラックパッドの操作性が抜群に良い

Macのトラックパッドの操作性はWindowsの比ではなく、圧倒的な効率化をもたらします。市販のアプリを使うことで、例えば3本指スワイプでChromeの新規タブを追加したり、5本指クリックでパソコンをスリープ状態にさせるなど操作性が抜群に良くなっています。

その証拠に、MacBookAirやMacBookProを使っている人でマウスを持ち歩いている人を見たことがあるでしょうか?恐らく無いはずで、いたとしても少数でしょう。Macはトラックパッドが優秀なのでマウスを持ち歩く必要がないのです。これは大変に便利です。

デスクトップパソコンの場合はマウスを使うことがありますが、Macのマウスは特殊でボタンがありません。左クリックか右クリックかは指の位置で判断され、トラックパッドのように表面をなぞるだけでスクロールが出来るのです。このような操作性は、OSとハードをどちらもAppleが作っているという強みが生きてきた結果なのです。

Windows・Mac・Linuxのすべてを扱える

プロのエンジニアであるならば、Windows・Mac・Linuxのすべてを扱えなければいけません。MacであればWindows機にリモートアクセスしたり、Bootcampという機能を使ってMacでWindowsを起動させることも可能です。

しかし、Windows機でMacを使うのは難しいです。そもそもOS単体で売っていないですし、AmazonEC2はもちろんVMwareなどでも使うことが出来ません。WindowsでMacを使うにはリモートデスクトップをするくらいしかありません。

そのため、Windows機をメインで使っているとMacの使用方法を習熟する機会が少なくなってしまいがちなのです。僕の場合は、会社に機械学習用のWindows機がありそれを頻繁に使っていたり、開発中のウェブアプリがLinux上で動いているのでまんべんなく使えているという状況です。

バックアップ機能「TimeMachine」が便利

MacにはTimeMachineというバックアップ機能があります。これは、HDDやSSDの内容を外部デバイスにバックアップとして丸々書き出してくれる機能です。とても良いのが、そのシームレス性。一度バックアップをするデバイスを決めてしまえば、次からはMacにつなぐだけで自動バックアップをバックグラウンドで行ってくれます。

基本的に大事なものはGitで管理したり社内のファイルサーバーに保管しておくことがありますが、それでも容量が大きすぎるなどの理由でローカルに置かざるを得ないファイルもあります。そういったときに大事なデータをいつもバックアップしてくれる機能はとても重要です。

エンジニアだとコンピューターのシステムファイルをいじったりするので、何かが発生した場合に元通りにできるというのはとてもありがたく心強いものです。

ただ、外部デバイスにパソコンのデータを移すのはセキュリティ上NGなので会社のパソコンでは行っていません。個人で使っているパソコンで利用しています。

ディスプレイ・フォントがキレイ

エンジニアは1日中パソコンを見ています。そのため、目が疲れやすいのです。iPhoneなどにも採用されているMacのRetinaディスプレイは、ピクセルが見えないくらい小さく繊細に出来ており目が疲れにくいです。ピクセルが見えるような解像度が低いディスプレイだと、ピントが合っていないと目が自動判断して無理やりピントを合わせようとする結果目が悪くなるそう。

そして、Macに標準搭載の「ヒラギノ」フォントはとても美しいのです。最近でこそWindowsで游ゴシックや游明朝が出てきて見栄えが良くなりましたが、以前はフォントの美しさはMacが圧倒的に上回っていたのです。毎日大量の文章やソースコードを読むからこそ、ディスプレイとそこに映る文字は非常に大事な要素になっています。

(ちょい専門家向け)ApacheやPHP、Pythonが標準搭載

ウェブ開発の現場において、ひとまずローカルを開発環境にして作業をしたいという場面が存在します。そういった時に、ApacheやPHPなど必要な環境を整えるのは手間がかかりストレスなのです。一方で、MacはApacheやPHP、Pythonなどがデフォルトで入っています(バージョンが古かったりはしますが)。

そのため、環境構築の手間がかなり軽減されて開発業務を効率的に行うことが出来るのです。特にWinodowsではPHPを使うのがとても面倒くさく、XamppやMampといったソフトをダウンロードしてから各種設定を行わなければいけないのです(僕もやったこと何度もあります)。

デザインがシンプル

またスティーブ・ジョブズの思想としてシンプルさが追求されているのは言うまでもないでしょう。何が良いかというと、そもそも持っていて気持ちがいいというのもありますが、普段使う上では気が散らないというメリットがあります。

人間の脳は目に入ったものを勝手に認識してしまうので、余計なものや目立つものがあると集中力を奪われてしまうのです。ひたすら頭を使い続けるエンジニアにとって集中力はなるべく減りにくくしたいものです。そのため、デザインがシンプルであり気が散りにくくなるようになっているMacはやはり使い勝手がいいと言えるでしょう。

まとめ

多くの会社ではWindowsが標準になっています。多くの人はOSにこだわりが無いので、それでうまく回っていますが、ホワイトカラーにとってパソコンは仕事のほぼすべての時間使う大事なものです。

何かを大きく変えるだけではなく、毎日頻繁に使うものを変えるというのも長期的に見て非常に大きな差になるのです。ホワイトカラーにとって(特にエンジニアにとって)、パソコンは体の一部です。そして毎日長時間使うものだからこそ、ちょっとした効率の違いが積分されて大きなものになります。

基本がWindowsであっても、その有用性を説明すればMacを支給してもらえるかもしれません。僕の会社も標準はWindowsでした。Macの良さがもっと世の中に知られれば良いのに、と思う近頃です。