【写真】心に残る旅行写真を撮るためのエッセンスとは?




誰もがスマホを持ち、手軽に高画質な写真を撮ることができるようになりました。旅行に行って全く写真を撮らないということは、もはやほぼ無いのではないでしょうか?

僕は世界30カ国を旅しながら数多くの写真を撮ってきましたが、その中で心に残る写真や何度も見たくなる写真にはある特徴があることに気が付きました。そのことについて紹介したいと思います。

その土地の文化や”ならでは”を見つけることができるか

心に残る旅行写真の要素のひとつとしては、その土地ならではのモノを表現出来ているか?ということです。

漁業が盛んな街ならば漁港や老舗の魚料理店など、温泉が有名ならば温泉街の風景などです。また、自然だけではなく、その土地に住む人の様子や、動物などもいいでしょう。

写真を撮るときは、つい綺麗な色合いのものや、有名な観光地にレンズを向けがちです。しかし、その土地が持つさまざまな個性の中から、自分の心が動いたものを選んで撮った写真はあまり見かけないように思います。

また、人間は動くものに気を撮られる性質があるので、鉄道や野良猫などの動くものを条件反射的に写真を撮ってしまいますが、そっと咲いている花がその土地固有のものかもしれません。

ようするに、動くものと動かないものの両方に対してアンテナを張り、その土地固有のものや自分の心が動いたものに対してシャッターを切るようにすると心に残る写真を撮りやすいと思います。だからこそ、僕は常にそれを心がけています。

構図や露出などの細かいテクニックはあまり関係ない

「いい写真 撮り方」とかで検索すると、構図がどうとか、露出がどうとかテクニックの話がたくさん出てきます。書店で写真関係のエリアに行くと、やはりテクニック本で溢れかえっています。

構図や露出、またはレタッチといったテクニックは言語化して伝えることができるロジカルな部分なので、書籍にしやすいという点があるのでしょう。

しかし、撮った写真を見返してみると「構図が素晴らしいから」とか「ピントがしっかりあったから」という理由で心に残るものはありませんでした。

それらのテクニックはあくまでも「最低限はしっかりやろうね」というものであり、それだけでは心に残る写真は撮れません。

心に残る写真にあるものは、やはり被写体に対する思いです。自分の子供だったり、寂びた風景であったり、風になびいて霊性を感じる木の葉であったり、それぞれの心が動いた瞬間を捉えているかが重要になります。

そのため、テクニックのように万人に共通するものではないので書籍にすることができないのです。僕が心に残っている写真は、他の人にとってはつまらない写真でしょうし、その逆もあります。しかし、被写体に対する愛というのは写真から薄々伝わってくるものです。

「とりあえずキレイだから撮った」ものと「被写体に対する愛や感動が溢れて撮った」ものは、全く異なります。それはデジタルかフィルムか、カラーか白黒か、といったこととは関係ありません。

もちろん、構図がぐっちゃぐちゃだったり、ピントがまったくあっていない写真はNGです。そのため、テクニックなんて関係ないとは全く思っていません。ただ、テクニックは心に残る写真を撮るための必要要件であるということです。

自分は何に感動するのだろう?を普段から考える重要性

いろいろな写真を見ると、写真が上達すると言います。それは、構図やレタッチの勉強になるという理由もあるでしょう。

しかし、ぼくはより大きな理由として「自分が心動くものが分かってくる」という点があるように思います。それは子供の笑顔であったり、風になびく流線型であったり、無機質な金属であったり、突き詰めればフェチズムになるものです。

そして、ここの写真家の個性というのは、このフェチズムの一貫性によって起こるものであると思います。だからこそ、写真がうまくなるためには、写真ばかり撮っていてはダメではないかと思うのです。

矛盾するようですが、写真というのは一種の表現であり、自分が表現したいものをたくさん持つほど多様になります。大事なのは、自分は何に感動するのだろうという問いを持ち続けること、そして幅広い体験をしてみることでしょう。

幅広い体験は、世界に対する認識をアップデートし続けていきます。例えば「実際に親になってみて親のすごさがわかった」という人が多いように、やってみなければ分からないことは溢れています。

親になるという経験をすれば、世の中のお父さん・お母さんがどれだけすごいのかが分かるでしょう。そして、子育てしている光景に心が動かされるようになるかもしれません。

自分探しの旅とかいいますが、自分が何に感動するのかは、自分に生まれつきの個性ではありません。ここを勘違いしないことがとても重要だと思います。

自分が感動するポイントというのは、さまざまな経験を通してものごとを知ることで減ったり増えたりするものなのです。だからこそ、自分の内側に問いかけるのではなく、自分の外側を知ることで、世界の認識をより豊かにしていくことが重要だと思うのです。