【実体験】ITエンジニアが正社員でいることのメリット




ITエンジニアはフリーランスとして活動している人が多い職種です。人と直接会わなければいけない時間が比較的短かったりするので、在宅勤務などもしやすいです。

一方で十分に認識するべきなのは、正社員もフリーランスも一長一短であるということです。

残念なことに、詐欺まがいの情報商材を買わせたり、プログラミングスクールや転職サイトを利用させてアフェリエイト収入を得るためにフリーランスの良いところだけを書いているブログが多数存在します。

  • 場所や時間に縛られない自由な働き方
  • 数ヶ月で年収1000万以上
  • 誰でも稼ぐことが出来る

そういった文言で人を煽ることで、人の人生を、自分のお金儲けに利用しようとしている人がたくさんいることに気が付きました。重要なのは、冷静になって正社員やフリーランスのメリット・デメリットについて考えて判断することだと思います。

そのようなブログでは「社畜のままでいいの?」と煽られていたりしますが、すべての正社員が社畜というわけでもないし、フリーランスにはないメリットもたくさんあります。詐欺師の言葉に騙されないようにしましょう。

エンジニアが正社員としていることのメリットについて実体験からお話します。(※社内開発のエンジニアを前提としています。常駐エンジニアは経験がないため)

目次

正社員としてエンジニアをするメリット

自分の実力より高いレベルの仕事ができる

フリーランスは、業務を依頼する会社にとって「外部の人間」です。つまり、その人に対して求めるものは、成長ではなくその人が持っているスキルによる成果です。

そして、フリーランスは「交換ができる」存在であるので、やってほしい仕事を十分にこなせる人を選びます。つまり、その人ができる範囲の仕事を任せる、というのがほとんどです。

会社がフリーランスに高いわざわざお金を払って、その人が新しいスキルを身に着けられるように学習機会を与えていたら、社内の人にはどのように思われるでしょうか?

自分たちが稼いだお金が外部の人を成長させるために使われていい気持ちになる人はあまり居ないでしょう。

一方、正社員は会社にとっては身内であり財産ですから、若干レベルが高い仕事であっても、上司や先輩のサポートをつけることで成長してもらおうと考えます。

正社員は会社からすれば長期的に育てていくものなので、一時的に生産性が落ちても教育をすることで将来的にリターンを得ようとするのも当然です。

安定した給料が入る

正社員では最低限の給料が保証されています。そしてボーナスもありすし、MVP報奨金なども入るかもしれません。実は安定した給料が入ると、良いことがあったりします。

まず、生活基盤となる給料が不安定な状態で、仕事に集中できるでしょうか?集中して勉強出来るでしょうか?

この問いに対する答えは人によって違うと思います。少なくとも僕はメンタルが弱くビビリなので、生活基盤が安定しない状態では常に不安になってしまってパフォーマンスが出ません。仕事に集中できなくなってしまいます。

安定した給料には他にもメリットがあります。それは、目先のお金に飛びつかずに長期的にお金の使い方を考えることが出来るということです。

給料がどれくらい入るか見通せると、それじゃあ今月は勉強代にいくらまで使えるか、ということが分かるようになります。本って意外と高いので、金銭面で先を見通せてないとつい買うのを渋ってしまい、歳を取ったときに勉強量の面で後悔してしまうかもしれません。

ビジネスの上流に関われる機会が多い

ITはビジネスの軸となる時代ですから、上流に関わらざるを得ないというのが正しいかも知れません。(業務が細分化されている大企業は別)

社内システムを変えるならば経営と戦略を考える必要がありますし、新規事業でプロダクト開発をするならばマーケターやデザイナーと協力して商品戦略を立てていく必要があります。

フリーランスがビジネス設計から関わるのは、百戦錬磨でないとあまりないことのように思います。(僕はフリーランス経験がないので言い切れませんが)

ただ、話を聞いたり周りを見ていて思うのは、フリーランスや業務委託の人が呼ばれるのは、戦略などの上流工程が決まって「つくるもの」や「やりたいこと」が確定してからなので、一緒に上流をやるイメージは無いです。

もちろん、高スキル人材であればアドバイザーとしてプロジェクトの初期から入ることはありますけどね。

教育や研修をしてくれる

前にも書きましたが、正社員だとセミナーの参加費を負担してもらえたり、社内の先輩や上司から色々と教えてもらうことが出来ます。

若手社員であれば「会社が育てていくもの」という意識がありますから、知らない技術に挑戦することもヨシとされ、勉強しながら業務を進めることができます。

一方でフリーランスの場合、基本的にいつでも切れる代わりに正社員よりも高い報酬を渡しますから、知らない技術に挑戦させるくらいなら、そもそもスキルがある人にお願いをするのが一般的です。

確かに手取りで見ると正社員はフリーランスに劣るかも知れません。しかし、社会保険料の半分は会社が負担してくれたり、ボーナスがあったり、福利厚生や研修の機会があるなど、見えないところで恩恵を受けている面があります。

業務に必要であれば(会社のものにはなりますが)経費で本を買ってくれますし、パソコンが壊れたら会社の負担で修理してもらえます。一方でフリーランスだと本はすべて自費で負担、パソコンが壊れたら自分の費用で負担することになります。

孤独を感じにくい

あと正社員だと孤独感を感じにくいように思います。実際はいつでも辞められるのですが、「プロジェクトが終わったら抜ける一時的な付き合いの人」とは認識されないですし、会社の人と関わる時間も長いので寂しさが紛れます。

会社にとって社員は「育てるもの」なので、なにか大きな成果を上げれば褒められますし、コミュニティに所属している感覚はいいなあと思うことが多いです。

やりたい仕事に専念できる

これは大きいと思っています。正社員として働くと、税金処理は労務が、経費精算は経理が、お客さんとのやりとりは営業が、社内の美化は総務がやってくれます。つまり、エンジニアとしての仕事に多くの時間を割くことが出来ます。

特に20代はまだ勉強効率が高いので、エンジニアの専門性を身につけるために大量の時間を割くべきだと僕は考えています。

とはいえ会社による違いも大きい

ここまで正社員のメリットを書いてきましたが、もちろんブラック企業であれば該当しないものもあるでしょう。ブラック企業に勤めているのであれば、フリーランスになったほうが良いのかも知れません。

ただ、正社員としてエンジニアをすることにもメリットがあるので、「正社員は社畜だ!時代遅れだ!」という煽りを真に受けずに、正社員のメリットデメリットを知ることが重要だなと思います。