2020年の振り返りと2021年の目標についてまとめました




こういう個人的なことはメモ帳にでも書けと思うかもしれませんが、他人に読まれる前提でないと手を抜いてしまうのでブログ記事という形で、2020年の振り返りと2021年の目標について残しておこうと思います。

目次

2020年という年について

2020年は誰にとっても特別な年であったと思います。1月頃までは、東当たり前のように東京オリンピックが開かれる前提で動いていた世の中ですが、ものの見事にそのような期待は裏切られました。人生何があるかわからないものですね。

まずは2020年という年について、自分のトピックに沿って振り返ってみようと思います。

2020年1〜3月

新型コロナウイルスによるパンデミックの始まり

この時期から中国・武漢で発生した新型コロナウイルス(Covid-19)の猛威が顕在化し始めてきました。僕は2月25日に東京ドームで行われるPerfumeのライブチケットを持っていましたが、まさにこの時期は「なんか得体のしれないウイルスあるらしいけど、イベント開いて平気なの?どうして国は何も言わないの?」という雰囲気でした。

僕が参加予定だった2月25日の2,3日くらい前に、ライブに不参加の場合はキャンセル料を運営が負担するという神対応が発表されたため、僕は大事を取って棄権をすることにしました。そして、2月25日の夜に国からイベントの自粛要請がでて、Pefumeの最終日ライブがキャンセルになってしまいました。まさにコロナ禍がはじまったその瞬間だった訳です。

この時期、新型コロナウイルスは「実態がつかめない謎のウイルス」ということで未知の脅威に対する不安がかなり高かった時期でした。今でこそ、若者はあまり重症化しないという点や、感染対策を行うことで一定の防疫ができるということが明らかになってきましたが、当時は情報や感染例が無かったため、社会全体で暗く不安なムードが流れていたように記憶しています。

在宅勤務への移行

そしてパンデミックが始まったことで、僕の属する会社は基本的に在宅勤務を行う体制へとシフトしました。これによって、対面で会社の人と会う機会がほぼ無くなりました。会議は基本的にウェブ会議で行い、進捗共有や相談はグループウェア(※Slackなどのコミュニケーションツール)で行うことになったのです。

最初は慣れないウェブ会議で、発言するタイミングや資料共有などが大変でしたが、僕は前々から在宅勤務をしたいと思っていたので、在宅勤務廃止の流れに行かないように工夫をしながら仕事を進めていきました。

例えばウェブ会議の場合、目線で合図をすることが出来ないので、ひとつひとつのトピックについて誰にどのような意見をもらうべきか、明確にしておかなければいけません。

リアル会議だと、いわゆる「ファシリーテータ」と言われる役割を明確に決めなくても、何となくその場の雰囲気で合意形成を行うことが出来ましたが、ウェブ会議ではそれが出来ません。そのため一人ひとりの立場を予め明確にして、誰からOKを貰えたら良いのかということをしっかりと意識するようになりました。

2020年4月〜6月

新入社員が入社

そして4月になると新入社員が入社してきました。僕と同じ部署にも1人配属が決まり、いわゆる後輩が出来た形となります。僕はその人のOJT担当になったわけですが、まさか初めてのOJT担当がこのような状況下とは思いませんでした。

入社式や新入社員研修はすべてウェブで行われ、4月中旬には緊急事態宣言が出されるという特殊な状況下でした。その中で、どのようなことを伝えるべきか、どのような能力を身に着けてもらうべきかということをひとつひとつ考えながら、ただ実行していきました。

この頃からの学びで分かったこととしては、ウェブ主体でコミュニケーションを取る状況においては、半ば強制的に定期MTGのような形でコミュニケーションを取るほうが上手くいくということです。

というのも、やはり新人にとって先輩や上司に質問をするというのはハードルが高いことでして、「今忙しくないかな?」と気にしてしまいがちです。

そのため、毎日15〜30分ほど進捗共有や問題解決のための時間をつくって、そこで話をするということが有効だと分かりました。また、同じ空間で仕事を一緒にする場合とは異なり、ある程度は自立して動いてもらわないといけないため、資料をしっかりと作り込む重要性も分かりました。

ようするに「分からなかったら聞いてね」というリアルのコミュニケーション形式よりも「分からなかったら資料をまずは見てみてね」という体制にするほうが望ましいということです。

同期的なコミュニケーションを取る機会を一定の間隔にすることで、そのMTGの時間までは自分の力で調べてみようという主体性にもつながります。資料が雑につくられていると、結局はそれをつくったひとに聞かなければならなくなり、返信が来るまで新入社員の手が止まってしまうという事態にもなってしまうのです。

そういった新たな工夫を行いながら新入社員のサポートをしつつ、自分も業務のやりかたを変えていったというのがこの時期です。

本格化する大学院院試の勉強

大学院院試を受ける予定があったため、勉強を本格化していきました。1大学の1学部という絞りきった受験です。微分方程式・線形代数・プログラミング・データ構造とアルゴリズム・ネットワーク・OSなど一通り学習していきました。

また、会社の昇級要件で「基本情報技術者試験」の合格があったため、そちらも併せて勉強していました。春期試験は中止になってしまったので、秋期試験に向けた勉強という位置づけです。ただ、院試の勉強とオーバーラップする部分もかなり多かったので、その点はモチベーションにも繋がり助かりました。

院試に向けて手応えはどうかというと、自信なんてありませんでした。微分方程式を本格的に学んだことがなかったので、解く練習を行うなどがんばっていましたが、過去問を見ても受かるイメージが出来ずつらい時期でした。

2020年7月〜10月

院試の形式変更、そして院試の失敗

そして、6月の終わり頃の試験説明会で院試の形式変更が通達されました。本来であれば、

  • 一次試験:書類選考(英語スコア、履歴書、学部の成績証明書等、研究計画書)+筆記試験
  • 二次試験:面接(プレゼン含む)

でしたが、一次試験の筆記試験が無くなり書類選考だけになりました。そして、僕は受ける予定だったTOEIC試験が中止になりスコアを持っていない状態でしたので、英語スコアを出せない状態で院試を受けることになりました。

結局、一次試験で落ちてしまいました。いくつか原因は思い当たります。

  • 4年前の無効になった英語スコアを”参考までに”提出してくれと言われて出したが、その点数が低かった
  • 学部の成績が低かった
  • 研究計画書がダメだった
  • 社会人枠で出願してしまった

上の3つは分かりやすいと思いますが、最後の「社会人枠で出願してしまった」は盲点でした。落ちた本当の理由は僕が知ることが出来ませんが、これも効いている気がします。

というのも、社会人枠の採用基準は「実務に基づく専門性を重視する」というものでしたが、僕の場合はまだ実務2年という状態だったのです。一般枠と社会人枠でどちらが有利かは分かりませんが、僕が受ける専攻は社会人もたくさん受験するような場所でしたので、一般枠で申し込んでおけばもしかしたら・・・という思いがあります。

後述しますが、もしTOEICを受けていれば800点は超えていたでしょうし、筆記があれば結果が変わっていたかもしれないというむずがゆさはあります。とは言え、人生こういうものですし、実力不足でしたので反省はしつつ来年につなげていければと思っています。

結果発表があった直後は、ショックでした。自分で学費を払って働きながら研究をしたいくらいには、入りたかったのです。

結果発表のあとは、1週間くらい来年のことを考えずに新しいカメラを買うなど気を紛らわせておりました。そして、気持ちが落ち着いた頃にもう一度考えた結果、やはり研究をしたいので来年は志願先を絞りすぎずに再チャレンジしようということになりました。

新しく買ったカメラ「LeicaQ2」によって毎日が楽しくなる

実は院試に落ちたらライカのカメラを買おうと決めていました。というのも、

  • 入学のタイミングが後ろにずれると資金的余裕ができる
  • 入試に受かっても落ちてもメリットがあるという状況をつくっておきたかった

というのがあります。入試のような勝負事は当然ながら、負ける可能性も存在します。ですので、もし負けた場合であっても何かしら自分にメリットが有るような状況をつくれば、どっちに転んでも人生楽しいとなるのです。

そしてLeicaQ2を買ったことは正解だったと思います。小型で高画質な写真が撮れるので、どこに出かけるときでも持ち運ぶことができるし、レタッチなどもモチベーション高くできるのです。逆にこれまで使っていた一眼レフは重くて持ち運ぶのに覚悟がいりました。

また、気に入った写真が撮れなかったときに言い訳ができなくなるというのもあります。ライカのカメラを使っていい写真が取れなかったら、自分の実力不足としか言いようがないのです。そのような緊張感もありました。

そして、カメラを常に持ち運ぶ理由としては大きなものがあります。それは「日々の出来事を記録する」というものです。

2020年はパンデミックによって、出かける機会や飲み会の機会が一気になくなりました。そのような状況になると、毎日が同じような1日になり時間があっという間に過ぎていきます。自分の人生の貴重な時間が、何の印象もなく通り過ぎていく焦燥感に駆られていたのがちょうど7月辺りでした。

僕は24〜25歳の頃、バックパッカーをしていました。毎日が刺激的で、新しい光景に興奮する日々でした。しかし、それでも数年経つとそのときに見た光景を忘れているということに気がついたのです。どれだけ感動したとしても、時間が経つと忘れてしまうのが人間というものなのです。

ましてや、同じような毎日であればすぐに記憶から消えてしまいます。何もしていないわけではないので、能力値などは微妙に上がっているとは思うのですが、思い出が無い扱いになってしまうのは悲しいことです。

そのため、人生のアーカイブという目的で、高いライカのカメラを買うことにしたのです。画質と費用の比較で言えば、ライカよりも国産の一眼レフのほうがコスパが良いのは僕も知っています。しかし、一眼レフだと持ち運ぶのに気合が必要なため、機会損失が発生してしまうのです。

バックパッカー時にたくさん写真を撮っていた自分を褒めてあげたいくらいで、やはり写真はいいものだなと再実感することになりました。常に容易に持ち運べて、しかも高画質。見た目もカッコいいというLeicaQ2を手に入れたことで、どこかに出かけるのが楽しみになりました。

2020年10月〜12月

在宅勤務にも慣れてきた時期

この時期になると、在宅勤務の体制が整ってきました。

  • 定期的に進捗共有する機会をつくること
  • 具体的に仕事の依頼をすること
  • 仕事をタスク単位で管理すること

といった、実はBeforeコロナでも重要だったことを改めて行うことで対応しています。

僕の場合、ウェブエンジニアですのでそもそも在宅勤務との相性が大変良いです。しかし他部署の人との雑談などが劇的に減ったため、社内の情報やニーズを拾いにくくなったという点も存在します。

一定のデメリットはあるとは言え、それはむしろ例外的。テレワークはとても可能性を秘めたものであると感じます。極論、セキュリティやプライバシーの確保さえできればどこでも働くことが出来るわけですから、従業員は生活する場所を自由に選びつつ、企業側も地理的条件に左右されず地方や海外の人をリクルートできるのは良いですよね。

この時期になると、後輩もかなり仕事に慣れてきて、開発の速度が上がっていったため楽しさを感じる時期でもありました。イレギュラーな体制での育成だったため、力を伸ばすサポートをしっかりできているか不安でしたが、どんどん成長している姿に安心しました。

嬉しいことに景気が悪い状況下でも昇級をさせていただけることになったので、来年も楽しく充実した仕事をしていきたいと考えています。

ようやく受験できたTOEIC

また、11月にようやくTOEICを受験することが出来ました。2020年中はTOEIC受験が抽選制となっており、見事当選することが出来ました。

本来であれば3月に受験する予定だったんですが、結局11月になってしまいました。結果としては想像よりも高得点で895点でしたので、来年の院試に向けてあとは専門科目を詰めていこうと考えています。

基本情報・応用情報は来年

また、基本情報について秋期の受験を予定していましたが、またしても延期となってしまいました。そのため、昇級要件であった基本情報の合格は、急遽過去問を一定数正答するというものに変更することになりました。

過去問ということで一度解いた問題ですから、こちらもほぼ満点を取って合格することが出来ました。現在は、来年1月の基本情報と、来年4月の応用情報に向けて勉強をしています。

9日間の京都旅行

また、12月に9日間の京都旅行を行いました。これは、もちろん気分転換やストレス発散の目的もありますが、それに加えて今年のテーマであった「日本的美意識」「侘び・寂び」「民藝の良さ」といった日本古来とされる美意識について理解を深める目的もありました。

いくつものお寺に行き、さまざまな庭や建物を見てきたことで改めて日本古来の美的感覚をしれた気がします。少なくとも、自分にとって銀座のようなキラキラした飾りがある無機質な空間や、人工的な光がまばゆく光る夜景が見える場所よりかは、木や石などが美しく配置され、素朴さの中に見事な余白があるような人間と自然が融和した空間が好きだとわかりました。

2020年を振り返って

2020年は新型コロナウイルスという猛威が人類の歴史を動かした「変化の年」であったと思います。そして、それに伴うインフォデミックや社会の分断(GoToTravelに賛成か反対か、など)を引き起こし悲惨な状態になっていました。

そんな中でも、自分のペースで年の始まりに決めたテーマについて学習し、深められた実感が得られた満足感もありました。それは、以下のようなものです。

  • 日本的美意識、日本古来の価値観について理解を深める
  • コンピュータサイエンスに関する理解を深める(アルゴリズム、データ構造、ハードウェア、ネットワーク、OSの仕組み…)
  • 写真に関する技術を上げる(撮影・レタッチ)
  • 英語力を上げる(少なくとも論文をストレス無く読めるくらいに)

日本的美意識については、

  • 岡倉天心「茶の本」
  • 谷崎潤一郎「陰翳礼讃」
  • 原研哉「デザインのデザイン」
  • 柳宗悦「民藝とはなにか」
  • ドナルド・キーン「日本人の美意識」
  • 岡本太郎「日本の伝統」

などの書籍を読むとともに、実際に京都や那須塩原に行くことで体感してきました。日本古来の美意識としては、空間に余白をつくって余韻をもたせたり、あえて室内を暗くすることによって花瓶を美しく神聖に見せるような点が特に気に入りました。

コンピュータサイエンスについては、院試の勉強も兼ねて広い範囲を網羅しました。また、実務ですぐに役立つかどうかは分からない基礎的な部分や数学をさらうことが出来たのも良かったかと思います。微分方程式や線形代数などは、ウェブ開発で直接使う機会は少ないですが、データ分析では必須の項目ですので将来に向けた準備という位置づけです。

写真に関する技術についても、カメラを常に持ち歩くようになったことで、アウトプットの量が増えて改善したように思います。また、レタッチ技術についても本を買ったことで体系的に学習をするということができました。カメラやレンズの仕組みについてはまだ理解が浅いですが、必要になった場合に調べてみることとします。

英語力については、リーディングとリスニングだけですが目標点数であるTOEIC800点を超えることができました。論文を読む際も、前と比べて理解力がまったく違うというか、読む速度が早くなっていますし感覚が以前と異なることが実感としてあります。

反省点としては、実務寄りの生きた知識があまり手に入らなかったという点だと考えています。基礎的な部分のインプットは一通り出来たかな?という感じですが、実務で扱うフロント側のフレームワークであったり、PHP以外の言語におけるウェブフレームワーク(PythonのDjangoとか)についてほぼ触れていないというのは、大丈夫かなという思いがあります。

来年(2021年)の目標

2020年の振り返りをもとに、2021年は次のような目標を設定したいと思います。

基本情報技術者試験合格

1月の2週目に実施する基本情報技術者試験で合格する。

応用技術者試験合格

4月に実施予定の応用技術者試験に合格する。

夏の院試で合格

夏に実施されるであろう、院試に合格する。(そのために、論文を大量に読んだり、数学の基礎を復習するなど院試に向けた勉強を行う)

コンピュータによる日本的美意識のアップデート

ただ日本的美意識に懐古するだけではなく、深く理解をした上で次の世代になにを残せるのか?というテーマを掘り下げる。自分自身の専門であるコンピュータで、日本的美意識をどのようにアップデートし、人の生活をよく出来るか考える。

写真の表現力を上げる

写真に関する基礎を体系的に復習し、さまざまな構図・表現方法を使い分けられるようにする。そのためにさまざまな被写体の経験を積み、写真一枚一枚の良いところや気に入らないところを言語化することで表現力の底上げを行っていく。

何か新しいことを始める

2020年まで取り組んできた上記に加えて、なにか新しいことをはじめてみる。何かテーマを決めて研究したり、何かの集まりに参加したり、作品をつくったりなど。