【旅行記】紅葉を見に那須塩原へ(その4)




こちらの記事は【旅行記】紅葉を見に那須塩原へ(その3)の続きになっています。

今回の旅行は1泊2日で、ここから2日目の内容になります。翌朝、目が冷めた僕は板室温泉の周辺を散歩することにしました。

板室温泉はこじんまりとした場所ということもあり、人がほぼ歩いていませんでした。ただし、宿は満員でしたので皆さん宿で休まれているようです。それと、車移動が前提になっていることもあるでしょう。

街には歴史がありそうな古い建物が多いですが、想像していたよりも街の大きさはコンパクトでした。10分も歩けば街の端から端まで行けてしまうくらいです。

上の写真のように、今は使っていない元旅館の建物があったり、どこか物寂しい雰囲気ただよう街でした。

今回宿泊した板室温泉大黒屋に戻ります。この宿では様々な工夫をしておりまして、川から拾ってきた流木や石を飾っていました。ちなみに、これらは持ち帰ることができるようです。

どうやら那珂川の上流になっているエリアなようです。石が白くて綺麗でした。重いので持ち帰ることはしませんでしたが・・

朝ごはんも大変美味しかったです。特に野菜が多く使われており、久々に栄養がある食べ物を食べたという感じです。こちらは蒸し野菜でして、ゴマだれにつけて食べるのですが、大変に美味でした。

また、味噌汁もその場で温めて飲むもので美味しかったです。那須は東京に比べてやや気温が低いので、湯気と香りが食欲をそそります。

チェックアウト後に少し宿を散策しました。松の木が植えられており、建物の造りとも相まって、日本の伝統的な美意識を感じます。

最近の日本の建物は、やたら目立つ看板が至るところにあったり、ギラギラと下品に光るようなものが多いですが、こちらの宿はそのようなことが一切なくとても快適でした。

視界に入るのは、基本的にマットな材質の建物や、植物、石といったずっと昔から存在する素材でできたものばかりです。視覚から入ってくる情報量が少ないため、デジタルデトックスをするにもちょうど良いと思います。

アナログの良さを極限まで追求したという趣です。

本数は少ないですが、板室温泉から那須塩原に向かうバスがちょうどバス停に停車していました。また、紅葉がはじまった時期に行きましたので緑から赤に変わっていくグラデーションが大変に綺麗でした。

僕はレンタカーで来ましたので、もう少し散策することにしました。公共交通機関と違って、時間が融通効くのがとても良いですね!車は事故が怖いので、僕は旅行するとき基本的に電車かバスを使っていますが、自動車便利だなあ・・。

1日目は雨が降っていましたが、2日目はキレイな晴れの日になりました。1回の旅行で雨と晴れを両方楽しめてとてもお得ですね。

板室温泉の風景写真を撮っていてやはり良いと思うのは、派手でギラギラしたものや、プラスチック、工業製品など景観を壊すものが無いということです。

日本は観光地であっても景観を壊してしまう看板や建物がどうしても混ざってしまいがちですが、板室温泉は観光地としてゴリゴリに開発しているわけではないところが、随一の魅力になっていると思いました。

次は板室温泉から近い距離にある「乙女の滝」に向かいます。確か10時頃に到着しましたが、ちょうど光の入り方がよかったのか、滝壺に虹を見ることができました。

この辺りは、森が生い茂っていまして、影が濃く植物の色も深い緑で覆われていました。もののけ姫に出てきそうな雰囲気が漂います。

普段見ることが無い田んぼの風景です。

その後は、1時間30分ほど掛けて雲巌寺というお寺に行ってきました。那須塩原駅の東側にあるお寺でして、少し遠かったですね。

ただ、時間を掛けていく価値がある場所だと思いました。自然と一体化した建物や、寂び感がとても良かったです。

途中に階段があるので、脚が弱いと厳しいかもしれませんね。お寺は高いところにあるので、上からの見晴らしも良かったです。

那須塩原駅へ向かい無事に終了・・・とはならず

今回の旅はここまで非常に順調でした。しかし、お寺を出て時計を見てみると、13:00。レンタカー返却時間14:00の1時間前になっていました。

那須塩原駅からこのお寺までおよそ45分かかり、しかもガソリンを満タンにして返さなければいけません。加えて、東京行きの新幹線はレンタカー返却時間の8分後、つまり14:08に出発します。

レンタカーショップ近くのガソリンスタンドに着いたのが、13:47くらいでしたので本当にギリギリです。

ガソリンスタンドで給油をしているタイミングで違和感に気が付きました。カーナビにレンタカーショップの住所を入力するためにスマホを使おうと思ったんですが、ポケットの中にもないし助手席にもない。

もう本当に時間がなかったので、自分の方向感覚を頼りになんとかレンタカーに着いたのが13:55分頃。車の中を何度調べてもスマホがなかったので、きっとカバンの中にあるのだろうと一旦駅に向かうことにしました。

駅についてベンチにカバンをおいて中を調べます。しかし、中身を全部出してもスマホが見つかりません。これは困った。新幹線出発まで10分くらいしか残っていません。

僕のスマホにはSuicaが入っており、帰りの新幹線のチケットもそこに登録していました。買い直さなければいけないのだろうか?とにかく慌てていたので、みどりの窓口に事情を話してみることにしました。

ここで幸いだったのが、人が並んでいなかったことです。聞いてみると、インターネットで新幹線のチケットを購入したときのクレジットカードがあれば紙切符に変更できるとのこと。

急いで券売機に向かい、クレジットカードを入れて新幹線のチケットを発券することができました。乗車3分前にギリギリ乗ることができました。

家に着いた後、最後の望みとしてすべての荷物を入念に調べましたが、やはりありませんでした。そこでiCloudの「iPhoneを探す」機能を使えばいいのでは、ということを思いつき調べてみました。

結果、、、やはりレンタカーのどこかに落としてしまったようです。GPSが反応しており那須塩原のレンタカーショップにありました。

連絡をしようと思いましたが、スマホが無いので電話ができず近くの図書館の公衆電話に100円玉を持って向かいました。このご時世に公衆電話に救われるとは思いもよりませんでした。

日本の会社は本当に信頼できるなぁと思いました。発展途上国だったら、きっとiPhoneは返ってこなかったかもしれません。僕は以前ドーハの空港でiPhoneを落としたんですが、それ以降GPSも全く反応がなく空港に問い合わせても見つかっていないようでした。

最終的に、スマホを郵送いただくことになり次の日には無事到着しました。旅はトラブルに遭遇するものですが、そのたびに誰かに助けられている気がします。

久しぶりの旅行を通して、自分の力の限界を知るという経験を久しぶりにしました。このようなこともあり、僕としてはたった1泊でしたが、大変良い思い出になりました。