若手社員・平社員が勉強すべきことについて




どのような仕事をするにしても、勉強するということが大事なことは疑う余地が無いでしょう。

就職して営業をするのであればコミュニケーション術や商材の勉強、エンジニアであればIT知識やプログラミングのテクニック、自営であれば経理や営業などをすべて自分でこなさなければいけないので、やはり勉強は重要です。

ここで問題なのは、自分がいまなにを勉強すべきかということになると思います。では、例えば20代の若手社員が勉強すべきことはなんのかということについて、最近良く考えています。

手元にある仕事に関するスキルの増強は必須

営業であればトーク術やパソコンスキル、エンジニアであればプログラミング力、といったように、まず目の前の仕事に関するスキルを高めていくのは、疑いようも無く重要だと考えています。

なぜならば、スキルが無いと成果を出すことが出来ないので、信頼を築くことが出来ません。いくら立派なビジョンを持っていても、それを具体的に実現するスキルが無ければ絵に描いた餅です。

経営者であれば、お金を払って別の人につくってもらうという手段もありますが、それでも、何かに秀でたポイントを持ち、この人に付いていきたいと思われないとうまく行かないでしょう。

いくら雇用契約書を結んで働いてもらったとしても、実際につくる人達のコミットメントが低いとそれなりの品質の成果物しか生まれないからです。

それに、エンジニアの仕事を評価するにはエンジニアリングについて理解していなければいけません。営業や他の職種も同じです。スキルも無く実績も無い人にはついていきたいと思わないのです。

そのため、まずはいま行っている仕事に関してのスキルを上げるということは、非常に重要と考えます。

社会の大きな流れについての勉強はどうか

僕が疑問に思っているのは、社会の流れについて理解をすることがどれだけ重要なのかということです。

例えば、もし自分が会社の役員であれば意思決定をするために世界の政治的な流れやマーケットの状況、新しい技術に関する勉強はとても重要になるでしょう。

一方で、大きな決定権を持たない若手社員/平社員の立場でそういったマス的視点で社会を知ることは果たしてどのような効果を生むのでしょうか。

視座を高くして仕事に臨むことは、モチベーションを保つ上でも重要かもしれません。また、BtoB企業の営業や経営者相手に営業をする場合は、対等に話をするために重要になるかもしれません。

では、例えばエンジニアやデザイナーなどはどうでしょうか。SDGsやGAFAの動向、あるいは機械学習に関する動向について知っている必要はあるのでしょうか?

結論からいえば、若手/平社員でいるうちは直接的に役に立つ機会はほとんどないと思います。一方で、上司が若手/平社員を昇進させるかさせないかを考える際に重要であると考えます。

また、当然昇進していくほど、社会の流れに関する敏感さや理解は重要になっていきます。そのため、未来に向けた勉強という意味でこれもまた重要でしょう。

「スキルの増強」が緊急度:高、重要度:高だとすると、「マス視点での社会理解」は緊急度:低、重要度:高ということです。

中間管理職になっていくと、経営と現場をつなぐことが仕事になります。つまり、経営が意志決定をしたときに、その背景には必ず社会の流れがあるはずで、それを翻訳して部下や部署に伝えていくためには自分自身も理解していなければいけません。

スキルだけをひたすらに追求していく職人的な生き方もありといえばありですが、その場合はコアなファンを獲得するなど自分自身のコミュニティを作っていく必要があります。

スキルがあるだけでなく、社会の流れを理解した上で適切な方向性を打ち出せる人材は重要なので、若手/平社員のうちはスキル増強を中心に起きつつも、SDGsやGAFAといった大きな流れについての理解もしておくのがベストだと考えます。

社会の流れというものは、時間の連続性の中で徐々に変化していくものです。つまり、現在起きていることがどのような意味を持つのかをより正確に解釈するためには、これまでどのような流れを経てここまでたどり着いたのかを理解していなければいけません。

そのため、いざ管理職になってから社会の流れについてのアンテナを張ったとしても、過去から今にいたる流れを含めて理解しなければいけないので、重荷になります。

シンプルに考えて、どのような人と仕事をしたいか

多くの人は、ビジョンを持って行動している人と仕事をしたいと思うでしょう。相当にずば抜けた技術などがあれば別かもしれませんが、世の中に対する志を持っている人と仕事をしたいと思うものです。

そして、ビジョンを持つためには社会に関する理解が必要不可欠です。「日本から飢餓をなくしたい」と言っても、日本では飢餓はほぼ起きていません。日本で問題になっているのは絶対的貧困ではなくて相対的貧困だと突っ込まれて終わりです。

確かに若手/平社員の権限では、社会の流れを意識した意思決定をする機会は少ないかもしれませんが、少なくともちょっとした雑談でメタ的に社会を理解していることが相手に伝わると、優秀そうだという印象を与えることができるし、ポジティブな性格を持っていると感じます。

手元の仕事で成果を出すための具体的なスキルは重要です。一方で、すぐ役には立たないけれども、大きな方向性を決めるときに大切になるメタ的な視点も重要です。これを少し拡大したものを「教養」と呼ぶのではないでしょうか。