【コラム】ネトゲは時間の無駄なのか?元ネトゲ廃人の社会人が振り返ってみた




最近はゲームと言えばソシャゲが人気ですが、一昔前はネトゲ(MMORPG)がとても人気でした。僕の場合は大学生の時にネットゲームにハマり、夏休みや春休みは起きている間ほとんどネトゲをするという毎日を送っていました。

ネトゲ廃人の中には、あまりに熱中してしまい大学を退学したり仕事を辞めてしまう人もいるようなので、そういう人に比べるとライトなプレイヤーかもしれません。でもかなりの時間をネトゲに注ぎ込みました。

大学を卒業して働きはじめると自然にネトゲをやりすぎることは無くなりましたが、果たしてネトゲに注ぎ込んだ時間が仕事とどのように結びついているのかなということが気になりました。

そこで、この記事ではネトゲは時間の無駄なのか?といった話をしていきたいと思います。

目次

ほとんど無駄だけど、後悔はしていない

結論から言えば、ネトゲは無駄だと思います。しかし後悔はしていません。何故かというと楽しかったからです(笑)。美しい大自然やダンジョンで仲間とモンスターを狩ったり、キャラクターを育てたり、金策を行ったり。ファンタジー世界での生活は最高に楽しいです。

確かにネトゲをやったからと言っても、何かのスキルが身につくわけでもないし社会性が磨かれるわけでもない。ビジネスを行う力が付くわけでもない。新しい研究成果を生めるわけでもありません。しかし楽しかったという感情は確かに存在したし、Twitterで未だに仲良く絡んでいるフレもいるのです。

ふと寂しくなった時に、会話を出来る人がいるというのは精神上とても大きく(ネットOnlyだとしても)、心の支えになったり落ち込んだ時に元気になれます。ネトゲを通じて色々な人と出会い、ゲーム以外のプライベートの話をするフレもたくさんいるのです。

そういった人との出会いがあることで人生が豊かになった感覚があります

ネトゲから学んだこと

ネトゲは無駄かなと言いましたが、勉強になることも振り返ると結構ありました。当時は気が付きませんでしたが、社会人になると気がついたという感じですね。

モノの値段は需給バランスで成り立っている

MMOではプレイヤーがお店を出してアイテムを売買できる仕組みがあります。面白いのはアイテムを売買している市場の動き方が現実世界と似ていることです。(もちろん現実世界ほど複雑ではありませんが)

例えば、同じアイテムであってもイベントなどで必要になると価格が急騰したり、逆にアイテムドロップ率が上がる修正がされたことで価格が落ちるなどの現象が発生します。モノが全く同じものであっても、時期と需要によって相場が大きく変動するのです。

これは資本主義が機能している社会において「モノの相場はマーケットが決める」という原理原則を表しています。これは労働市場にも言えることです。

例えば、年収を増やしすために勉強したりセミナーに通ってスキルを伸ばそうとする人がいます。もちろん、スキルを伸ばそうとするのは素晴らしいことであるし、中長期的にはプラスになっていくでしょう。しかし年収を上げるという目的を考えた場合は必ずしも理にかなっているとは言えません。

なぜならば年収というのは自分自身の価値ではなくマーケットが決めるからです。要するに、自分のスキルを無理に伸ばさなくても需要がある市場(=業界)に行けば年収は上がるのです。要するに転職するということですね。

自身のスキルを伸ばしていくのは超重要ですが、年収を上げるという観点でいうと需要があるマーケットにいけばスキルが大したことがなくても年収を上げることが出来るのです。そういった自由競争を前提としたマーケットの原理についてはネトゲの中でも発生しており、非常に面白いものがあります。

コツコツ積み重ねる大切さ

ネトゲはキャラ育成やストーリーなどをコンプリートするまでに途方も無い手間と時間がかかります。一時的に集中してプレイしただけではキャラを十分に育てることは出来ないのです。大事なのはなるべく毎日INしてコツコツとレベルを上げていくことです。

この毎日少しずつ積み重ねていくということは現実世界でも大切ではないでしょうか。最近は効率が重視される世の中になっており、すぐに結果を出すことを求められます。しかし、本当の実力や結果というのは積み重ねを淡々としてきた人にこそ付いてくるものではないでしょうか。

強いプレイヤーはコツコツと長い時間をかけて積み重ねをしてきたからこそ強いのです。

ネトゲのしすぎは良くない

まぁ、学べたことについては結構考えましたが2つしか出てきませんでした。そして、学生のときや20代前半までならまだしも、20代後半以降でネトゲ廃人かつニートなんてやってると後々ひどいことになるので、よくありません。

僕は楽しい思い出として残っているので後悔はしていませんが、それは社会人になったことで自然とゲームを辞めることが出来たからだと思います。ようするにネトゲしてもいいけど、ほどほどにしなよ、というのが僕のメッセージになります。

とはいえ「少しの無駄」は人生にとても大事

しかし少々の無駄なことは人生を豊かにします。ゲームもアニメも漫画も一切見ず、常に効率を求めて学びになることしかしないという人生のどこが楽しいのでしょうか。

もちろん、自分の目標に向かって進んでいくこと、勉強や仕事を一生懸命やることも大事ですが、無駄と思えるものがまったくないと苦しいだけです。

例えば音楽や絵画などは別に世の中に無くても誰も死にません。しかし、大昔から今に至るまで何故続いてきたのでしょうか。それは、音楽や絵画が人生を豊かにしているからです。人生にはある程度の無駄を許容する「余白」が必要で、そこにのんびりする時間やネトゲをする時間、音楽を聞く時間などを埋めることで人生が豊かになっていくのです。

まとめ

結局僕から言いたいことは「ネトゲは正直無駄だしスキルは身につかない。それでもちょっとした勉強にはなるし、やりすぎないのであれば人生を豊かにしてくれる」というものです。

ネトゲ廃人になれる人は、なにかに没頭するポテンシャルを秘めているので仕事を始めると大活躍する素質を持っています。実際、僕の場合も1日中ネトゲをやっていたときのように、1日中本を読んだり仕事に打ち込んだりという生活スタイルになっています。

ネトゲは、ほどほどに。