【コラム】ユニークな発想は徹底したリサーチや勉強から生まれる




大量生産による工業化社会から情報化社会に移行していく中で、新しいことやユニークなことが価値を持つような時代になっていきました。

これまでの工業化社会においては、誰かがデザインした製品を機械と人で協働して生産することで、十分に経済は成長していきました。そのため、労働の成果というものは労働の時間によって決められていました。手を二倍動かせば製品が二倍生まれるからです。

一方で情報化社会になったことで、労働時間と生み出す価値が必ずしも比例しなくなりました。ソフトウェアというのは限界費用が極めて低いので、良いサービスを作ると低コストで瞬時に世界中で使われるようになるからです。

つまり、大企業で費用を投じて作ったソフトウェアよりも、少人数でつくったソフトウェアが爆発的に売れてしまうということが十分にありえるのです。だからこそ、これまで誰も行っていないようなユニークな商品を生み出すスキルは、今の時代とても重要になってきています。

では、ユニークな研究やユニークな商品はどうすれば生まれやすくなるのでしょうか?その一つの答えが、「徹底したリサーチ」であると考えています。

普段働いていて思うこと

僕はいま10ヶ月目の見習いエンジニアです、まだまだ勉強が必要という段階です。そんな僕ですが、業務中に開発業務を行っていると、

  • 「この計算、割とポピュラーだと思うんだけど標準関数になってないのかな」
  • こんな機能があったら良いのにな…

と思うような場面が頻繁にあります。こんな機能があったらいいな、という発想は新しいサービス開発を行う上で重要です。しかし、後でしっかり調べてみるとすでに欲しいと思った機能が標準関数化されていることはしょっちゅう発生します。

つまり何が言いたいのかと言うと、

  • いま、この時点でどのようなものが世の中に存在しているのか

が分からないと、

  • いま、この時点で世の中に存在しないものはなにか

が分からないということです。これを理解していないと、自分としてはユニークな着眼点だと思いワクワクでサービスを作ったけれども、他に同じことを考えている人がいて車輪の再発明になってしまった、という悲惨なことが発生します。

知識のインプットは悪?

分野を問わない話として、「個性を大事にしたいのでインプットや基礎の勉強はしない」という人がいるようです。しかし、前にも書いたように、基礎を知らないと基礎ではない部分がなにかを知ることは出来ません。新しいものを想像するというのは、

  1. 先人が積み重ねて作ってきた階段の頂点に立って、さらに階段を増やしていくこと
  2. 異なる領域の要素を結びつけて、これまでに存在しないものを生み出すこと

このどちらかではないでしょうか。そして、この2つについて考えると、「個性を大事にしたいのでインプットや基礎の勉強はしない」ということが間違っているということが分かります。

先人が積み重ねて作ってきた階段の頂点に立って、さらに階段を増やしていく

これは科学の研究などが主に該当します。これまで先人が積み重ねてきた研究結果をもとに、いま分かっていないことを発見し、これまでの研究結果に積み重ねていく行為が該当します。

この場合、当然先人が何をやってきて何が分かったのかを知らなければいけません。科学の場合でいうと、超絶頭のいい天才たちが何十年も何百年もかけて今まで積み重ねを行ってきました。幸い、その情報は書籍やインターネットというメディアに記録されているので、効率的に習得することができます。いえ、するべきなのです。

なぜならば、天才が何百年もかけて積み上げてきたものを、たった一人で一生のうちに追いついて追い越せるような人などはほぼ確実に存在しないからです。

異なる領域の要素を結びつけて、これまでに存在しないものを生み出すこと

これは産業界で最近よく言われるようになりました。特にコンピューターはあらゆる分野との親和性が高く、機械学習を使って流通の運送経路を最適化したり、カメラ・センサーと機械学習と車を融合させて自動運転を作るという動きが見られます。

これまで「イノベーション」というと、これまで世の中に存在しなかった価値を作り出すという意味合いがあり、発想の切り替えや誰も気が付かなかったスイートスポットに気がつくという意味合いが強かったのですが、最近は産業領域をまたぐことで、あたらしい価値を生み出そうとする動きがよく見られます。

ここで重宝される人はどのような人でしょうか。そう、異なる分野に精通している人です。なぜならば、産業領域や専門が変わったときにコミュニケーションを媒介したり、プロジェクトを俯瞰して見られるようになるからです。

異なる領域に精通するためには、やはり過去から積み重ねてきた知識のインプットが重要で、それによって新しい付加価値を生み出していけます。つまり、イノベーションを起こしてスティーブ・ジョブズみたいになりたい!と思うのであれば、しっかりと興味があることをリサーチして深く広く調べていくのが大切です。

スティーブ・ジョブズも、大学で学んだカリグラフィー(西洋書道)とコンピューターという2つを合体させたことで、誰でも見やすく簡単に使えるパソコンが生まれたのです。

車輪の再発明をしないためにリサーチすべし

車輪の再発明はしない、と普段から意識することは重要だと思っています。それと自分を過信しすぎないことも大切です。こんなこと思いついた!自分って天才!と思っていても、世界には70億人以上の人がいて頭のいい人もいっぱいいますから、たいてい誰かが考えついています。

誰もこれまでやったことがない、あるいはつくられていないモノを生み出すには、いまなにがあって何がないのか、何が出来て何が出来ないのか、を知る必要があるのです。