【コラム】儚げだけど心の芯に強いものを持っている人が大好きだ




そういえば、高校生の頃から生粋のBUMP OF CHICKENのファンをやっています。

それから10年以上経ったいまでも、頻繁に彼らの音楽を聞いています。そしてそれは何故だろうかとふと思ったのです。僕は飽きっぽい人間なので、ずっと一つのことを好きでいることは珍しいことだなと。

なぜを考えてみると、タイトルになりました。つまり、どこか儚げで壊れそうなんだけど、じっと見つめてみるとそこには優しさを伴った力強さがある、そこに惹かれているのだと分かりました。

儚げで、繊細で、傷つきやすくて、でもそれに抗いながら強さをその内部に宿し続ける。アーティストにはそのような人も多いのでしょうが、特にBUMP OF CHICKENは一線を画している気がします。彼らが長い間圧倒的な人気を抱え続けるのも、そういったところがあるのでしょう。

生物って儚いですよね。生物はどうすれば作れるのか、いまだにわからない一方で、壊すのは簡単です。言い方が物騒かもしれませんが、100円ショップのハサミで簡単に壊すことができるのです。そのいつ死ぬか分からない、しかもいつか必ず死ぬ。

それだけではなく、生物同士の関係性は時間の経過とともに変わっていく不安定さを持っています。そういった圧倒的な寂しさや儚さを繊細な歌詞やメロディーで歌い上げているところが、心に響いてきます。

彼らは圧倒的に内向的で、繊細で傷つきやすい。それなのに、人の孤独のつらさを知って、そこに寄り添いたいと思う優しさ、強さを持ち合わせています。孤独や自分自身の苦しみなど、弱い部分をむき出しで表現できるというのは、まさに心が強くないとできません。

自分が弱いことを、そのまま表現するというところが、僕はとても好きなのです。

生物はいつか死ぬという運命を持ちながら、それぞれの時間を生きています。ライオンのように力強い動物もいれば、動くこともできず、ただ与えられた場所で懸命に生きるタンポポもあります。

生命としての輝き、力強さが中心にありながらも、いつかは死んでしまうという儚さはとても美しく、僕の心を震わせてきます。

ときには強がることも必要かもしれませんが、誰もが持つ孤独感というものに寄り添うことができるのは、自分自身をさらけ出せる人だけだと思います。そして、そのようなナイーブな部分を優しくつつみこむためには、繊細さが必要。

それらを兼ね揃えているからこそ、僕はBUMP OF CHICKENが好きなのだなあと思いました。