【後編】ベトナムから中国へ飛び込んだら、大失敗した話




こんにちは、ケイタ(@kei1992ta)です。

この記事は、【中編】ベトナムから中国へ飛び込んだら、大失敗した話の続きになります。

泊まる宿が見つからず、とあるホテルの入口で野宿することを決心。寒さに震えながらも、朝5時30分まで耐えて宿探しを再開することにしました。

目次

裏道に閉じ込められる

さて、ホテルの敷地から出ようとすると、来た時は開いていた門がでかい南京錠でロックされていました。他の出口を探しても、外に出れるところが見つかりません。

あ、やばい閉じ込められた。どうしよう。どうしよう。どうしよう。すでに空は明るくなり始めており、ホテル関係者が外に出てきたら間違いなく見つかります。

高さが4m近くある門をもう一度見るも、やっぱりしっかりと閉じられています。はて、どうしよう。

ここで不幸中の幸いだったのは、門の最上部が槍のように尖っているタイプじゃないことでした。そして、大きい南京錠を掛けるための金具部分に、足を掛けられそうです。

幸いにして、車も通行人もほとんど通っていない。もう行くしか無いと、心の中で覚悟が決まりました。

バックパック(15kg)を担ぎ、全力でよじ登ります。誰にも見られていないことを祈り、いっせーのーせで、腕に全力で力を込める。やった、最上部にこれた。ここから降りるのは簡単です。

結果、15秒ほどで何とか門を超えることが出来ました。キャリーバッグだったら、おそらく超えることは出来なかったと思います。

このときほど、「火事場の馬鹿力」を感じたことはありません。普段運動をしていなかった僕ですが、修羅場ということもあり一瞬で高い門を超えることができました。

今夜泊まる宿を探すために、引き続き大きな通りを歩きます。しばらく歩くと、大通りに24時間営業のマックを発見。昨日の夜に見つけていれば、こんなつらい思いをしなくても良かったのに。

寒さと空腹に凍えていた僕は、飢えたハイエナのように店内に入りました。

昆明のマクドナルド

わかりにくいですが、店内は殺伐として汚かったです。数人が距離を置いてぽつんぽつんと寝ています。そして、誰かが置いていったハンバーガーの包装紙やポテトの入れ物、トレーなどがテーブルの上に置きっぱなしになっていました。

ん?あの制服は?と思い近づくと・・・やっぱり。マックの店員も席でいびきをして寝ていました。僕が入ってきたことで目が覚めて、レジに立ってくれました。温かいコーヒーとハンバーガーを注文します。

バックパッカーあるあるですが、マックは本当に素晴らしいです。人命を救います。僕の命を実際に救いました。このマックを見つけたとき、変な嗚咽が出ていたかと思います。

寒さ、飢え、Wi-fi、公安、その全てから優しく守ってくれるマクドナルド。僕は、忠誠を誓いました。

早速、フリーWi-fiを繋いで、ここから近くのゲストハウスに予約を入れる。何とか宿を見つけたと安心したのも束の間。

踏んだり蹴ったりは、まだまだ続きます。

宿がどこにもない

ところが、また問題が起きました。予約をしたはずの宿が見つかりません。宿の住所の場所に来たのに(中国は建物に住所が書いてある)どこにもありませんでした。

高いビルが建っているだけで、警備員の人に聞きましたが知らないと言われてしまいます。結局30分ほど探しても宿は見つからず、キャンセルして別の宿にすることに。再びマックに戻り、Wi-fiを盗んで予約をします。(1度目)

しかし、また同じことが発生。今度は1Fに銀行が入っている高層ビルの15Fにあるらしいのですが、入り口がわからないし、警備員に止められてしまいました。

仕方がないので、キャンセルして別の宿にすることに(2度目)。再びマックに戻り予約をします。

しかし、また同じことが起こりました。今度はビルそのものが見つかりません。地図もしっかりと見て、ビルの名前と住所を確認したのに宿が見つかりません。人に聞いても「あ?」と言われるだけで要領を得ません。

仕方がないので、キャンセルして別の宿にすることに(3回目)。しかし4件目も全く同じ状態になりました。

もう仕方がないので、ガイドブックにある少し値が高い宿に行くことに。しかし、どこに行っても断られます。中国人向け宿は、英語が通じないから何を言ってるのか解りませんが、Noと言われているのはわかります。

部屋が無いのか中国人専用なのか。

ここまでで20kmは歩いている

結局、野宿をしてから7~8件探しましたがすべてダメでした。昨日から既に20kmは歩いているような状態で、体力の限界です。時間はもう昼の12時過ぎ。街には人が溢れており、大きい電光掲示板がピカピカと光っているような状態です。

今夜も公安から逃げて寒い夜を過ごすのか・・・。それを想像したら、もう決心がつきました。中国から出ることにします。

急いでタクシーを捕まえましたが「Airport」って言っても伝わりませんでした。そこで、漢字で「空港」と書くことで伝わったようです。中国のタクシー

タクシーのドライバーは40歳くらいの女性の方で、スピード狂でした。おかげで空港に早くつけましたが、少し怖かったです。中国は建物はもちろん、タクシーにも頑丈な鉄のシャッターが付いています。

人口が多い分、変なやつも多いのでしょうか。あまりの防犯への徹底ぶりに数日ぶりの笑いがこぼれます。

昆明の空港

さて、20分ほどでエアポートに到着します。高速料金を含めて120元(2400円)でした。実はメトロを使えば数百円で行けたのですが、もうそんな気力は無かったのです。

空港に到着したものの、安心してはいられません。ここは24時間空港ではないので、(24時間営業のケンタッキーはあるらしい)今日中のフライトチケットを買えないと、昨日と同じように野宿になってしまいます。

エアアジアがバンコクとクアラルンプールに飛んでいることは知っていたので、大慌てでカフェに入りWi-fiを繋ぎました。エアアジアはネットでしか航空券が買えないのです。

バンコク行きは既に午前中に飛んでしまっていましたが、クアラルンプール行きはギリギリ夕方の便が残っていました。しかも残り座席が2席!不幸中の幸いで、ひやりとしました。

Wi-fiは非常に不安定で、何回チケットを購入しようとしても接続が切れてしまいます。1時間くらいかけてチケット購入手続きとチェックインを済ませました。

そして、また1時間程かけてクアラルンプールの宿を急遽予約。クタクタだったのでドミトリーではなく、ダブルルームで空港に近いホテルを予約することにしました。

無事に、出国手続きが終わりです。入国が10/26、出国が10/27。悲惨さを物語るスタンプです。航空券は3万円もしたけど、この判断で良かったような気がします。

乗る飛行機は17:40 昆明(Kunming)発の21:50 クアラルンプール(Kuala lumpur)着。夜着でしたが、クアラルンプールには便利なメトロが走っており、無事にホテルに辿り着いて休むことができました。

この中国での経験は、いまでこそネタにすることができますが当時はつらかったですね。とはいえ、今こうして無事にいることに感謝です。

めでたし、めでた・・・し?

おわりに

今回思い知ったのは、やっぱり準備は大事だと言うことでした。今は様々な情報がインターネットで手に入るので、あらかじめ準備をしないと大変な目に合う確率が増えてしまいます。

中国は長い長い歴史を持ち、まだ未知の場所もたくさんありそうです。しばらくはドイツに滞在をする予定ですが、いつかまた中国にチャレンジしたいと思っています。