【中編】ベトナムから中国へ飛び込んだら、大失敗した話




こんにちは、ケイタ(@kei1992ta)です。

この記事は、【前編】ベトナムから中国へ飛び込んだら、大失敗した話の続きになっております。

僕はとある夜、雲南省の昆明に到着しました。

目次

泊まる宿が見つからない!

怪しい民泊(?)をしていたマンションから出てきた僕は、その後タクシーに乗ろうとしました。

タクシーを止めてガイドブックの宿を指差します。なぜかは分かりませんが、中国語で住所が書いてあるのにも関わらず、全く伝わらりませんでした。

ドライバーは何かを話しかけていますが、意思疎通ができそうにないので、タクシーに乗るのは断念。歩くことにしました。

30分くらい歩いてようやく目当ての宿に到着したものの、時間はすでに0時近く。受付で泊まれるか聞いても答えは「NO…」の一言でした。

時間が時間なだけに当然かなと思い、仕方がないので歩いてまた別のホテルを探します。

中国語は全く読めない僕でしたが、歩いていてわかったのは「酒店」という言葉がホテルを表しているということ。酒店と書かれた看板を探して、ひたすら歩きます。

中国は怖いイメージがあったのですが、深夜の大通りは危ない雰囲気が全くありませんでした。人はほとんど歩いていませんが、ほどほどに交通量があり、自転車なども通り過ぎていきます。

治安に対する安心感があったのは、唯一の救いだったのかもしれません。

とは言え、ホテルの受付で泊まれるかを聞いても「NO」と言われるだけ。フロントは24時間営業しているのに、どこにも入れてもらえませんでした。

少し受付の対応に変化があったのが5件目です。受付で泊まれるか聞いたところ、大丈夫との答えが返ってきました。しかし、受付のお姉さん2人は顔を付き合わせて、かなり困惑していました。

パスポートを見せてくれと言われたので、渡しました。2人で何かを話してから、そのうち1人が外部に電話をかけています。電話が終わると、お姉さんは申し訳無さそうな表情でこう言いました。

「ごめんね、あなたを泊めることはできないの」

何故かを聞いても、うまく意思疎通ができません。向こうも英語が片言だからです。結局、理由はわかりませんでしたが、これまで断られ続けていた理由は、部屋が満室なわけではなく別にありそうだと察しました。

この5件目を断られたとき、僕は野宿を覚悟することにしました。昆明駅についてから、重い荷物を抱えて10キロは歩いており、精神的・肉体的に限界を迎えていたのです。

補足

中国のホテルは外国人を泊めるために特別な許可証が必要だと後になってわかりました。もちろんヒルトンなどの高級ホテルは所有していますが、僕が狙っていた安宿はすべて許可証を持っていなかったようです。

公安警察に追われる

さて、どこかで落ち着ける場所を探そうとするものの、なかなか見つかりません。共産主義国にありがちですが、道路が非常に広く、無駄な施設がなにもないシンプルな構造をしているんです。

僕が延々と歩いていた大通りも、片側3車線くらいはある大きな道路でした。何とか小さな公園を見つけて、そのベンチに腰を掛けて休んでいると、大通りを走っていた公安警察のバイクが急にサイレンを鳴らして猛スピードで公園に入ってきました。

公安の男性2人は何か怒鳴っているようですが、何を言っているかは全くわかりません。しかし、こういう時は下手に慌てると事態を悪化させるので、疲れて寝てしまった感じを装いながらパスポートを見せてみることに。

公安の人はパスポートを確認してから「こんな所で寝ていちゃダメだぞ!」みたいなことを言いながらパスポートを返してくれます。

しかし、僕が本当に宿に戻るかを監視するためかもしれませんが、僕の後ろを着いてきます。

泊まる宿が無い僕にとって、これはやばい状況です。一刻と自体が悪化する中、僕は路地を見つけたので、そこに入って一気にダッシュをすることで振り切ることに成功しました。

なんとかなった….と内心ほっとするも、このまま歩いていると、また捕まる可能性があります。パスポートを見せただけで開放してくれたのは、中国においてあまりにも幸運だったとしか思えません。

ホテルの外で野宿を覚悟する

大通りを歩いていると門を開いたままのホテルがあったので、ここに逃げようと決心をしました。

ホテルの電気は消えており、受付に人はいませんでした。入り口も閉まっています。ホテルの外にベンチがおいてあったので、ここで朝を待とうと腹をくくることにしました。

しかし驚いたのは、真夜中だというのに普通にホテル前を人がウロウロしていること。

早く寝ろよ・・・と心の中で悪態を尽きながらも、目線を向けずにホテルの客らしく堂々とベンチに座る作戦をとりました。

歩いている人と目があってしまうと、話しかけられる危険性があるからです。日本人でよかったと思ったのは、暗闇の中であれば、見た目で中国人と全く区別がつかないことです。

さいわい誰にも話しかけられず、緊張をしながらも時間は過ぎていきます。

僕が一晩を過ごしたホテル前の椅子

僕が一晩を過ごしたホテル前の椅子

気温9度で半袖とパーカー

中国の昆明は、夜になると9度まで気温が下がります。僕の服装はというと、半袖の上にパーカーです。元々中国に来るつもりは無かったので、半袖以外は1枚のパーカーしか持っていなかったんです。

東南アジアのエアコン対策に上着を持ってきていてよかったですが、それでも寒くて震えてしまいます。思い返せば、朝から非常食として買っておいたクッキーしか食べていない、地獄のような状態でした。

朝5時30分ほどになり、外を歩いても怪しまれない時間になってきたので、ホテルを出ようと決心することにします。

しかし、一難去ってまた一難。自分が気が付かないうちに、また一つ立ちはだかる壁があったのです。

後編に続く