意識高い系の「自分探しの旅」は迷惑か?バックパッカーとして考えてみた




最近、旅インスタグラマーを筆頭にしたインフルエンサーの影響で、一人旅や世界一周を行う若者が増加しているそうです。確かに、世界一周はとてもワクワクして面白そうですし、インスタで「いいね」をたくさんもらえそうですね。

しかし、意識高い系の「自分探しの旅」が迷惑となっているという話を聞きますが、本当でしょうか?

旅をする人が増えたことで、中には現地でトラブルに巻き込まれてしまったり、現地の法律を破ることで誰かに迷惑をかけてしまうこともあるのは事実です。最近のニュースで言うと、中学生バックパッカーがアメリカ横断しようとしたものの、ヒッチハイクが法律で禁止されている州でヒッチハイクをしようとしたり、年齢が低いという理由がありラスベガスで保護された事件などがありました。

恐らくですが、事前にしっかり準備をせずに飛び込む俺カッケーみたいな気持ちがあったように思います。それか、そもそも事前準備の大事さを認識していなかったか。僕も中学生の時があったので、気持ちがわからなくは無いのですが、校則を破るだけならまだしも法律を守らないのは、さすがにNGです。

この事件によって、自分探しの旅に対するネガティブな意見があったようなので思ったことをつらつらと書いていこうと思います。

目次

「意識高い系」と「迷惑か」は分けて考えるべき

ぶっちゃけ他人からすれば、その人の意識の高さなんてどうでも良いことで、大切なのは「ルールを守ったのかどうか」です。

僕は、意識が高かろうが低かろうが、一人旅をしたいなら行くべきだと考えています。かけがえのない思い出になるでしょうし、旅行先にお金を落とすことで経済でお金が循環していくという良い効果もあります。ただし、その前提にあるのは「ルールを守りリスク管理をした上」でというものがあります。

一人旅=自由だというイメージを誇張して解釈してしまいルールを破るのは、大変な間違いです。僕らが何故自由に海外一人旅出来るのかと言うと、これまでの旅行者がルールを守ってきたから。ルールを守ってきたことによって、僕らは自由な旅を手に入れているのです。

逆に言えば、海外での不法就労者が多い中国は、各国のビザ発給に厳しい審査がされており、自由な一人旅はなかなか出来ません。もし、日本人がルールを破り続ければビザの発給条件が厳しくなる可能性もありますし、海外で「日本人だから」と冷たい対応をされることも十分考えられるでしょう。

大切なのは、一人旅をしている人が意識高いかどうか、ではなくルールを守っていたか?ということです。

一人旅は自分探しにつながるか?

こちらの記事にも書きましたが、旅に出て環境を大きく変えることによって、自分固有の変わらない部分と環境によって影響されていた部分を発見することはありますが、自分でも気が付かなかった新しい自分が見つかる、といったことは一切ありません。

一人旅の副産物としては、自分が生活している環境とは違うロジックで動いている文化があるという気づきであったり、これまで目に入らなかった社会問題であるなど、自分の「外側」に関する気付きがほとんどです。

すなわち、自分が好きなこと・自分に向いていること、といった自分の「内側」の気付きは一人旅をしてもほぼ皆無といって良く、「内側」に関する気付きが何によって得られるかと言えば、何かに没頭(仕事や習い事など)しながら自分と対話を行うということ以外には無いのでしょうか。

例えば、インドに行ってヨガをやってみてもいいし、タイにいって料理を勉強してきても良い。海外インターンに参加しても良い。極論、海外である必要も無いかもしれません。これらのアクティビティを行うことで自分の「内側」に関する気付きに繋がっていくことはありますが、残念ながら移動しながら観光地を見るだけでは、「内側」の発見はなかなか出来ません。

とは言え、単純に海外に興味があるとか、自分一人でどこまで出来るか挑戦したいとか、そういった感情からくる素直な気持ちで行くのであれば、とても素晴らしい経験になると思うので行くのが良いと思っています。僕もそうでしたしね。かこつけて「成長」だの「自分探し」だのの名目で一人旅に出ると、結局何も得られませんでしたで終わりがちです。それでも十分満足感は得られると思いますが。

僕は「バックパッカーって行っても単なる遊びで得るものはないでしょ」という質問に対して「遊びですよ。何が悪い!!」くらいのメンタリティを持つべきだと考えていて、自分がやりたいことを生産的か非生産的かを考えるのは後悔につながっていくと思います。

生産的で効率的なことが幸せにつながるわけではないことは、僕ら日本人は痛いほど実感しているのに、未だに社会は人に成長意欲を求めすぎる傾向があります。まあ、国民全員が成長意欲ゼロになってしまうと国が破綻してしまうという側面もあるからですけど。

海外でのリスク管理について

いまやスマホでどのような情報でも簡単にアクセスできる時代になりました。そんな時代にわざわざ意地を張って、自分の武勇伝のために情報なしで現地に飛び込むのは、アホとしか思えません。

そういうアホは大抵、非常によくある手口の詐欺に引っかかって、更に日本人狙いの詐欺師を増やしてしまいます。インドでいうと、道端で「どこの宿に泊まるの?」とか話しかけられて答えると、「その宿は今日はクローズしてるから別の宿を案内するよ」といってボッタクリの宿に連れて行かれるなどよくある手口ですが、いまだに引っかかっている人もいるそうです。

ある程度一人旅に慣れてくると、どのような情報を集めればいいかわかってくるので、情報収集を最低限にして、現地でドキドキを楽しむということも出来るのですが、慣れない人がそれをやろうとすると必要な情報さえ集めずにトラブルに巻き込まれがちです。

最初のうちは、徹底的に情報を集めることを強くオススメします。そのうち、必要な情報が何かということが分かってきますので、それから昔のバックパッカーの疑似体験をしてください。

意識低かろうが高かろうが行きたければ行け。でも、リスク管理はちゃんとしろ

世界一周や海外一人旅という言葉には、どこかワクワクするようなキラキラしたイメージがあり、確かにその通りですが、裏には危険が常につきまとっています。

異なる文化では異なるロジックで人が動いているので、自分が気が付かないところで現地のタブーを犯してしまうリスクを常にはらんでいます。一人旅は確かにに楽しいし、良い思い出になるので、安全第一ということを常に心において行くことを心から祈っています。